1.EASTS の役割

EASTS ( Eastern Asia Society for Transportation Studies)は,アジアの各国/地域における産官学の専門家が交通問題に関する議論,研究,人的交流を広く活性化させることを狙いとして,1994 年に設立された学会です.アジア諸国/地域は,世界で最も経済成長が著しく,活発な交通インフラ投資が行われている地域である一方,世界で最も深刻な交通問題に悩む地域でもあります.しかし,多くの国/地域では,今なお,交通の専門家が質・量共に不足し,同種の交通・都市問題を抱えるにも関わらず情報交換が不十分であります.また,それらの専門家は,経済的制約のために先進国の国際会議に参加する機会も少なく,発展途上国特有の問題に対する研究も十分に行われているとは言えません.同様の問題を抱えるアジア地域において,研究,実務の成果の共有化を進めることが必須であります.

このような趣旨に基づき,産官学からの多大な協力を受けて,1994年11月に,EASTS が設立されました.設立以来,30年が経過し,その間,国際会議の出席者数,論文数も増加し,各種活動の質・量共に大幅に拡大しています.

EASTSは,①国際会議を通じた研究者の交流,②ジャーナル・プロシーディングスの刊行,③セミナー,ワークショップの企画実施,④シンポジウムによる社会の啓蒙活動,⑤交通関連国際データベースの構築による情報の共有化,⑥ホームページ,会員メーリングリストによる情報発信や共有化,等を活発に行い,交通問題改善のために,会員相互の学術の向上と社会への研究成果の還元を目指しています.

日本においては,1995年8月にアジア交通学会(EASTS-Japan)が設立され,国際会議やシンポジウム等を通じて,アジア地域交通専門家と活発な情報交換を続けており,その貢献は高く評価されています.アジア交通学会は,途上国の若手研究者の国際会議参加,アジア地域の研究者による国際共同研究等に対して,経済的な支援を行っています.

2025年8月

2.EASTS の特徴

  • 単なる国際学会にとどまらず,各国/各地域に独自の学会を設立することにより,ネットワークとして機能する組織でもあります.これまでに19の国と地域が参画し,会員数は1,800人を超えています.また,各支部学会が行う活動に対し,支援や共催の形で協力を行っています.
  • 国際会議を隔年で開催し,アジア地域の大学研究者に限らない,役所や実務家も含めた交通専門家同士の活発な学術的交流や情報交換の場を提供しています.
  • ピア・レビューを行っている学術論文集( Journal of EASTS),及び,講演集(Proceedings of EASTS)を出版し,さらに学術的に高度な論文はESCIジャーナルでもあるAsian Transport Studies (ATS)として定期オンラインジャーナルを発行するなど,アジアにおける交通問題の解決に寄与する学術の発展に貢献しています.
  • アジア交通学会のご案内(日本語版パンフレット,2017年発行版)
  • EASTS(国際学会)のご案内(英語版パンフレット,2017-2018年度版)
  • 設立20周年記念 国際シンポジウム(2014/10/24開催)
  • 設立30周年記念イベント EASTS加盟国・地域における近年の災害対応と得られた教訓 (2024/11/11開催)

 

3. 会の目的・会員の特典・会費

目的

  • 本会は、EASTS(Eastern Asia Society for Transportation Studies)の下部組織の1つであり日本国内学会と位置付けられ、わが国の交通関係の研究者、実務者が協力してアジアの交通研究を行い、今後のアジア諸国の発展に資する成果を挙げるとともに、アジア諸国の交通関係の研究者、実務者とEASTSを通じて共同研究や情報交換などの交流を円滑に行うための機会の提供を目的とする。


会員の特典

  • 正会員、学生会員、名誉会員は、2年に1度開催されるEASTS国際会議の参加登録料に関して会員割引を受けることができる。また本会の主催する研究会・講演会等に無料で参加することができる。
  • 法人会員は1口当たり2名が、2年に1度開催されるEASTS国際会議の参加登録料に関して会員割引を受けることができる。また本会の主催する研究会・講演会等に無料で参加することができる。
  • 賛助会員は本会の主催する研究会・講演会等に実費で参加することができる。
  • すべての会員に会員名簿が配布される。
  • 法人会員にはEASTS大会論文集が1部配布される。

会費

  • 正会員は、会費として2年に1度、年会費の2年分、4,000円を納めなければならない。
  • 学生会員は、会費として2年に1度、年会費の2年分、2,000円を納めなければならない。
  • 法人会員の年会費は1口10万円とする。

会員数とその内訳(令和7年7月現在)

会員区分会員数
正会員425名
学生会員189名
法人会員34団体
法人賛助会員1団体